満室 眠りの入口のドアを叩くと奥から咳払いが聞こえたので、再び闇の通路を手探りで歩いていた。 別のドアが手に触れ、戸板に耳をあてると微かに寝息がもれてくる。つぎのドアからは歯を軋(きし)る音が聞こえてきた。 今夜も眠りの入口はどれも塞がってい…
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