2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

晴れ間をぬって

このところの雨つづきを「ノアの日々」と呼んでいた。 休みなく降る雨、東の方角からつぎつぎとながれてくる黒い雨雲、雷鳴、道沿いの側溝を走る水は滝のような音をたてつづけている。 まるで雨季末期の、いちばん天候が悪いころと同じだ。 どういう因果関係…

団扇をつくる

猫の手も借りたいくらいの忙しさが過ぎ、先週からゆるやかな時間がながれている。 こういう時期には、新規デザインものやリクエストはうけていたものの手つかずのままほうっておいた依頼品の制作に時間をあてるのが常だ。 骨の素材には椰子の葉芯を選んだ。…

ウィークエンド・レポート

9月6日(月) 庭師のワヤンにクタパン(トロピカル・アーモンド)の木の先端部分を伐採してくれるように頼んでおいたのは先週だったけど、ようやくその気になったらしく、きょうは梯子をかついで仕事を始めるのを目にした。 伸び放題にしておくよりも、あ…

オダラン

きょうはウチの「オダラン」だった。 祭壇や社に供える前に机のうえにズラリと並べられた供物の数々。 210日にいちどめぐってくる祭祀で、ぼくがこの土地に住みはじめるにあたり選んだ「吉日」を起点に日にちは決まる。 平穏安寧を祈る日、とぼくは心得てい…

『考えるヒント』へ  バリで読む『遠野物語』7

『遠野物語』を読んでいる最中に、奇妙な記憶の混乱にとまどった。 こういう話にさしかかったときである。 ある猟師が山中で白い鹿に出会う。白鹿は神の化身と信じられ、一撃にして斃(たお)さなければ祟りにあう。猟師はじぶんの名誉にかけてこれを射とう…

昨日のはなし

九月に入ってから再び雨の日が多い。 今年はけっきょく、乾季特有のすがすがしい一日に恵まれる機会は、例年とは比べものにならないほど少なかった。 昨日は午後から、バリ人画家ブディアナさんのスタジオを訪問する九大の学生たちに合流することになってい…

ウィークエンド・レポート

8月30日(月) スタッフのひとりアジの父親が先週から慢性的な腸閉塞で苦しみだし、今日、ギアニャールの公立病院に入院。検査しだいではそのまま手術もありうるので、父親を病院まで介添えするという理由でかれは仕事を休んだ。 肝炎や腸チフスとともによ…