2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

帰ってゆく風景 ── わたなべせんせい 『100年前の女の子』を読む 2

こどもの頃に通った学校の先生たちの姿を思い出すことがときどきある。 かれらが教壇に立っていた頃の年齢を遥かに超えてしまったいまのぼくは、あの若き教師たちのときに見せてくれた情熱が懐かしい。 中学1年のときの英語の担当は坂井先生という小肥りで…

帰ってゆく風景 ── 物語のはじまり 『100年前の女の子』を読む 1

100年という人生はひとにどんな記憶を積み重ねていくのだろうか、あるいはいかなる記憶だけが100年の月日の流れのなかから浮かびあがってくるのだろう。 近親にも周囲にも100年という気の遠くなるような時間を生の歩みとして経てきたひともいないので、それ…

バリ塩の話

一時帰国するときにはかならず「バリ塩」を友人たちへのみやげに持って帰る。 このあいだは3kgをすこし超えていたので、あらかじめEMSで送っておき小分けしてからそれぞれ友人に手渡した。 総額500円にも満たない価格のものを、4,300円の送料をかけて送るの…

つぶやく 3──21日〜24日のツイッター投稿から

11月21日(日) 今朝のBali Post/ギアニャール警察は昨日ブラバトゥ、スカワティ地区のラブホテルの取り締まりをおこない、4組の不倫カップルを摘発した。うちひと組は公務員(42)と女子学生(20)だったが、摘発されたカップルの中には警察官の妻もいたという情…

果実のなる庭

‘97年から3年間住んでいたプリアタンの借家の庭にはマンゴーの樹があった。 あまり威勢はよくなかったが、毎年かならず実をつけ知らないうちに家主が収穫してしまう。気づいた頃には、実をつける前のもとの姿にもどっていた。 一度だけ、まだ熟す前のマンゴ…

つぶやく 2 ──19日 / 20日のツイッター投稿から

11月19日 今朝のBali Post/*密輸用に捕獲されていた87匹の緑ウミガメが保護され、昨日クタ海岸で放たれた。1匹4-5万円で取引。*国立サンラ病院はグレードアップのため見舞客が廊下に居座る状態や時間外訪問の禁止、ノラ猫の駆逐を行った。──グレードアップ…

つぶやく ── 17日 / 18日のツイッター投稿から

11月18日 昨日の敵に施しを受ける。ティモールレッセ政府は被災者むけに$100万をインドネシア政府に寄贈。ほかに米、欧州、近隣諸国から$750万の援助がすでに受け渡されているが、使途についてはまだ不明のまま。 http://de.tk/jPfWp posted at 14:57:36 …

エレンディラ風? マルキッサ

マルキッサ(パッションフルーツ)を庭で育てているひとは、ぼくの知る限りでも何人かいる。ペジェンに住む若いアメリカ人Ch.もそのひとりだ。 かれが家を建てるときにすこし手伝ったが、1年ぶりに訪ねたときには庭木もすっかり根づき見違えるような緑にお…

プール日和の朝

陽が昇ってまもなく、いつもと同じように今日も暑い一日になるような気がした。 ひさしぶりに隣りにあるレストランのプールで泳いでみようかと思ったのは、ちりちりと空気が灼けてきたからだけではない。 このごろ、なんだかからだの動きがぎごちないのだ。…

いくつもの風景

田おこしのすんだ翌日は、半日、音もたてずに雨が降っていた。 農夫の姿のない水田にはココカン(白鷺)だけが歩きまわっている。 つぎの日には田植えがはじまった。 二期作、ときには三期作も可能なバリの水田だから、田園地帯を車で走ると、犂起こしをして…

パッションフルーツ

1週間ほど前、パッションフルーツの蔓枝(つるえだ)が花芽をたくさんつけはじめているのに気づいた。 去年4月、「自宅で穫れたの」と1個のパッションフルーツを知り合いから頂戴した。種をとりわけ、鉢に蒔いて間もなく芽をだした。 苗を、南側のフェン…

ムラピ大噴火

「ジョクジャカルタ火山研究調査所(BPPTK)のスバンドリオ所長は五日、先月二十六日から始まったムラピ山の一連の噴火活動は、一八七二年の噴火以来の大規模なものであるとの認識を示した。 一九三〇年に起きた火砕流では千三百人以上の死亡者が出たと…

ココカン

北側の田んぼでは今朝から「田おこし」が始まった。いまでは耕作機械を目にするのがあたりまえになったが、バリに住みはじめた頃は、鹿のような容姿のバリ産の牛に鋤(すき)を引かせているのどかな光景がどこでも見られた。 田おこしが始まると、ココカン(…

昇るひと眠るひと

昨日はプリルキサン美術館へ出かけ、そのあとスターバックスに寄ってから徒歩でぶらぶらとプリアタンのタガスまで歩いた。 ギアニャールに車で買い物に出ているスタッフとどこかで落ち合うようにしていたが、けっきょく1時間あまり歩いてタガスに着いたとこ…

美術館からスタバへ

久しぶりにプリ・ルキサン美術館を訪ね、Bali Deep 展を観る。開館まもない時間で誰もいないからゆっくりと観てまわることができた。 それにしても暗い館内だ。 左上 dewasugi(部分)、右上 kyoko kakehashi、下 koji ikuta インドネシアのコンテンポラリー…

プリアタンの大葬儀 2

ナガ・バンダ。死者の霊を天上にみちびく乗り物。龍ではなく蛇に由来するらしい。上級カーストの葬儀プレボン / Plebon に登場する。プラ・ダレム(死の寺院)の入口階段の両脇に、このナガ・バンダの石彫がよく見られる。 確かめていないが、輿に乗ったこの…

プリアタンの大葬儀

マンションという名のホテル

このごろよく耳にする「マンション」。いわゆるマンションかと思っていたら、どうもホテルの名前らしい。場所は、サヤンのプネスタナン通りにあると聞いて「あ、ひょっとしたらあの建物かな」と思いあたるふしがあった。 10年以上前になるが、ウブッドからサ…