パッションフルーツ
1週間ほど前、パッションフルーツの蔓枝(つるえだ)が花芽をたくさんつけはじめているのに気づいた。
去年4月、「自宅で穫れたの」と1個のパッションフルーツを知り合いから頂戴した。種をとりわけ、鉢に蒔いて間もなく芽をだした。
苗を、南側のフェンス沿いに移植したのが翌5月の頃だった。
1年半もたってから花が咲くというのは、ふつうの3倍以上も時間がかかっている。
施肥も手入れもしていなかったからやむを得ない。
今朝、いちばん大きなつぼみを観察しながら開花は明日ごろかなと思っていたら、午後の日盛りにはすっかりつぼみをひらいて甘い香りを漂わせている。
雌しべはツンと上に伸び、雄しべは頑(かたくな)なようすで下を向いている。これでは、花粉は下に落ちていくばかりだ。自家受粉しない性質なので、これからはつぼみがひらくたびに雄しべから花粉をとって雌しべにつける世話がいる。
インドネシアでは「マルキッサ」と呼ぶ。このほうが、ぼくの耳には親しい。
日本では「クダモノトケイソウ」──果実をつける時計草だからというわけで、「1+1=」式の命名法。