東京タワー
この冬いちばんの寒さに凍えた7日の朝成田を立ち、夕刻5時40分にはングラ・ライ空港に到着した。飛行機から降りるなりサウナに放り込まれたような熱気につつまれ、ヒートテックの肌着に汗がしみていくのがわかる。
空港構内にむかうバスに乗ってから、窓の外に緯度と経度を標示する掲示板があるのに気づいた。
南緯8度44分42.87秒
東経115度10分5.98秒
空港にこんな標示板があるのを初めて知った。しかも、いくつものポイントにこの標示板が立てられていて、写真におさめることができたのはこの「17」番ポイントだけだ。
角度1秒の差は31メートルにあたるそうなので、広い空港敷地内では緯度も経度も微妙に変化する。その変化をいくつものポイントで標示しているのだろう。
なんのために?
帰国中入院していた病院の窓から、大好きな東京タワーがすぐ目の前に見えていた。北緯35度39分42.887秒、東経139度42分3.395秒が東京タワーの地球上の位置である。
バリのングラ・ライ空港まで南北に約44.5度、東西に約24度の差がある。
要するに東京タワーを起点に4950 km 南に進み、さらに2670 km 西に移動すればこの空港に到着するということだ。
直線距離にすれば5624 km──バリの空港にある標示板から北北東にむかって5624 km というつかみどころもない彼方に東京タワーがそびえているのをイメージするのは、ちょっとおもしろい。
[おまけ] じぶんの立っている地点の緯度と経度がわかるサイト。
http://www.geocoding.jp/