非観光的スポット案内 仮面とあやつり人形の博物館 2
近いうちにまた来ますと挨拶をのこして博物館を立ち去って間もなく、体調を崩しすっかり足が遠のいてしまった。
6月は例年にくらべるとかなり寒い日がつづいていたから、油断しているうちにどうやらからだの芯まで冷えきってしまったらしく、週末ごとに高熱をだして寝込む始末だった。
この症状は医者に行ったからといって治まるものではないと自覚しているので、やや持ち直した時にバイパス沿いにあるバリ・ウサダへ行き、そこの香草浴でじっくりとからだを温めたら、翌日にはほぼ快復した。
堆積された香草残滓の温度を計ってもらったら50℃近くあった。健康なときには、10分もガマンできないのだが、この日は、30分さえやや物足りないと感じた。
この香草浴は、バリ・ウサダが商品化している「ボカシ・オイル」や「EM液」などの原料としてつかったハーブの残滓をプールして、その発酵熱を利用した温浴療法。316種類のハーブをつかっているというにわかには信じがたい数字はともかく、温かいハーブの堆積のなかに身を埋められて30分、からだは、じょじょに芯から癒されていくような気になる。
その後、ガルンガンを迎えクニンガンがつづき家にとどまっている日がつづいた。
工房でスタッフとともにペンジョールづくり──といっても、かれらの手慣れた作業の邪魔にならないよう、ほんのつきあい程度にしか参加しなかったけれど、椰子の若い葉を折り曲げ、折り鶴の羽が連なったようなかたちの飾りをつくるのは習得した。ひとりだけ寒がって重ね着している。
完成したペンジョールを家の入口に立てる。ペンジョールは「ナガ・バンダ(龍)」のシンボルだ。
ペンジョールの並ぶ町並みは、いつ眺めても華やかさに満ちている。
ガルンガン翌日頃からは、子どもバロンの一隊が往来を練り歩きだす。ngelawang barongという。
クニンガンが過ぎてから寒さはいくぶん和らいだと思っていたら、ふたたび二日前から気温が下がってきた。そんなところへもってきて、昨日は半日車のエアコンにさらされていたせいで喉をやられ鼻水がとまらなくなった。
だから、博物館行きは、だるいからだをおして今日実現した。
ちょうど1か月ぶりの再訪となった。