プートラは去ってしまったが、メス犬のデウィはぼくのもとにとどまった。 この犬は、ぼくがバンジャル・カラーにいるときに、隣人、といっても数十メートル離れた場所に住んでいた、バリニーズの一家が飼っていた子犬だった。ギアニャールの市場で拾われたそ…
デウィがまだ子犬のとき、まるで肢の長いネズミのように走りまわっていたころに、空気銃で後ろ肢を撃たれたことは前回書いた。すぐ隣に住んでいた木彫り職人の仕業だった。たぶん、作業場にあった木彫りを齧(かじ)ってしまったのだろう、とぼくは想像した。…
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