憑衣される子どもたち

「ブスンビウ郡プチャッサリ村およびその付近の住民と父兄は、ブスンビウ第五公立中学校の授業活動が1か月ほど前から順調に行われていないことを懸念している。理由は、11月2日の満月の日以来ほぼ連日、この学校では5人前後の生徒がクラウハン(トランス、憑衣、失神:訳注)に陥っているからである。
 昨日の11月28日土曜日、プチャッサリでひとりの住民は「11月2日から毎日、ブスンビウ第五公立中学校ではクラウハンになる生徒がいる」と述べた。昨日土曜日、5人くらいの生徒が奇妙なことばを発し叫びつづけながらクラウハンに陥った。ほぼ連日、5人前後の生徒がクラウハンになっているが、一日のあいだに15人の生徒がクラウハンに陥ったこともある、と前述の住民は述べている。
 この住民は、学校側およびブレレン教育庁がともに、学校の教育活動が平常に戻るように解決策を探ることを求めている。この1か月、学校の教育活動はつねに妨げられ規律がとれていないからだ。多くの生徒がクラウハンに陥った結果、まったく授業が行われなかったことが何度かある。「クラウハンになった生徒がでると、ほかの生徒たちは怯えてしまい落ち着いて勉強できなくなるんです」と住民は言う。
 ブスンビウ第五公立中学校校長ヌガー・コンテンは、ほぼ毎日、校内でクラウハンになる生徒がいる事実を認めた。関係者はすでにクラウハンの再発を防ぐために、具体的なものから心霊学的なものまでさまざまな手段を講じている。「祭壇を建立しお祓いの儀式もすませたのですが、クラウハンになる生徒がまだいるのです」と校長は言う。
 コンテンはすでにこの一件をブスンビウ教育委員会に報告したと述べ、教育委員の学校視察と同時に予防対策が講じられる予定という。「わたしたちも途方に暮れたすえ教育委員会に報告し、委員会側もわたしたち学校当局と調整をはかる予定でいます」とコンテンは語った。
 すでに報じられたように、ブスンビウ第五公立中学校とプチャッサリ村行政庁は、この出来事を心霊学的に精査するために霊能者を呼んだこともある。そのとき招かれた霊能者は、スパン村出身のジェロ・ティンであった。ジェロ・ティンは、プチャッサリ村にあるブスンビウ第五公立中学校校舎は、川が埋め立てられた場所に建っていると言う。川に棲みついていた生きものたちを障(さわ)ったので、その生きものたちが学校で勉強している生徒たちに取り憑いた(結果だとジェロ・ティンは語った:補訳)。」
 Bali Post 11月29日付記事「連日、5人の生徒が“クラウハン”に。ブスンビウ第五公立中学で」全訳。