ウィークエンド・レポート 

23日(月)

 2か月近くうやむやにしていた照明具を、ウブッドの某ホテルに配達。
 ロビーに飾るものだが、6年前につくったもののリメイク。



5年くらい前、このホテルに泊まった知人がたまたま写真に撮っておいてくれた。
 
 ところがサイズが5cm大きすぎると、突き返されてしまった。
 いやいややる仕事は、どうもこういう感じになる。じぶんが好きでもないモノをつくるからだろう。
 つくりなおしだけれど、当分やる気はない。


25日(水)

 知り合いに頼まれ、ディスプレイ用の木箱に紙を貼った。

 こういう作業はじぶんでも意外なのだが、けっこう好きだ。子どもの頃、近所の経師屋の作業場に座りこんで、職人さんたちの仕事を飽かず眺めていたのを、いつも思い出す。



3箱分の作業を終えるのに1日かかった。紙表面を濃厚な「ドーサ(膠液)」でコーティング。箱底は別紙の厚紙。


 先週末、ツイッターで、横尾忠則さんがつぶやいていた。


「老境に達すると利害関係から解放されなければならない。仕事を趣味に変えない限り利害関係は一生つきまとう」


 そのとおりだと思う。

 昨年あたりから、じつはこのことを痛感している。
 だが、これをカンペキに実現するためには、「食い扶持」というのが保障されている必要があるのだ。
 雀の涙はおろか、「ノミの汗」程度の年金では...。

 それにひとを雇っていてはなかなかむずかしい。


26日(木)

 9月早々に九大の学生たちが、旧知の F 先生とともにバリにやって来る。

 音楽好きの学生たちのために、ガムランのワークショップをという希望がありプリアタンの某楽団に問い合わせていたのだが、たった1回のワークショップ代に750ドルと提示されことばをなくす。

 この国の公務員給与の3か月分くらいか。

 
 プンゴセカンの K さんに相談。
 彼女のおかげで、日本でもよく公演活動をしているスダマニによるワークショップを3日間もできることになった。

 最終日には、学生たちだけで合奏ができるように! と頼んだ。

 このスダマニの日本ツアーは以下のサイトに。


http://cudamani.jugem.jp/


27日(金)

 先日、中指と薬指を瞬間接着剤でくっつけてしまったが、そのつづきの作業。

 

きょうのノルマは4つ。


糸入りの紙を貼る。


灯りを入れると。


 しかし、あまり愛着もないこのライトを21個もつくるとなると、けっして趣味とはいえないナ。

 老境のしあわせへの途は、はるかに遠い。