「ワルン・ジャンガル・ウラム」で

 

 きのうはプリアタン・タガスにある Warung Janggar Ulamで、日本からもどってきた友人、それにまもなく日本に帰る友人とともに食事をした。


 ファミリーと思われる子どもを交えた先客たちは、たぶん誰かの誕生日でも祝っているのか、それとも週末の一家団欒を楽しんでいるのか、敷地南西の角にあるバレ様式の建家を「占拠」していて、それが目についたときにやや気になったのは、地元のひとがこうして集って食事をしていると例外なく野放図に喧しくなりがちだからだが、ジャンガル・ウラムのような開放的で広々とした空間では、子どもらの奇声も、引きずられて床とこすれあう椅子の音もたいして不快に感じなくてすんだ。


 われわれが座っているちいさな四阿(あずまや)の脇にある、蓮池のむこうに子どもや若いひとたちが移動してきたのが目の端にはいった。
 まだ薄明るい夕空を背景に、携帯をつかい互いに写真を撮りはじめている。



 先の見えない揺れつづける日本の話をしていたぼくは、目の前の光景に、ふと、まぼろしでも見ているような気がした。