非観光的スポット案内 仮面とあやつり人形の博物館 2

近いうちにまた来ますと挨拶をのこして博物館を立ち去って間もなく、体調を崩しすっかり足が遠のいてしまった。 6月は例年にくらべるとかなり寒い日がつづいていたから、油断しているうちにどうやらからだの芯まで冷えきってしまったらしく、週末ごとに高熱…

非観光的スポット案内 仮面とあやつり人形の博物館 1

友人に場所を教えられて、マスにある Mask & Puppet Museum をはじめて訪ねた。 偶然はかさなるもので、その前夜、 べつの友人から「こんどワヤン・ベベルを、トペン・ミュージアムでやるよ」と聞いていた。トペン・ミュージアムとは Mask & Puppet Museumの…

ワークショップ

昨日、プリアタン・タガスにあるアートスペースで写真のワークショップがあった。 日本のひとの主催する集まり以外は、開始時刻よりもたいがい30分は遅めに出かけるようにしている。 3時開始の予定が実際には1時間も遅れて始まったのは想定外ではなかった…

午後の過ごしかた

賄いさんが姑の入院に付き添って休みをとったので、昼は、マスの通り沿いにあるワルンの「焼き魚定食」ですませた。 ある商売が流行りそうだとみると、たちまちのうちにあたり一帯、同じような店が軒を並べるのもバリの町並みの特色かもしれない。最近では、…

蝉の声

いまさらいうまでもなく、田んぼに囲まれた場所に住んでいるせいで朝と夕暮れ時にはココカン(白鷺)が餌をもとめて舞い降りてくる姿を眺めたり、蛇が家のなかにまで入りこんできてびっくりさせられたり、庭では蝶や蝉の羽化のようすを観察して楽しんだり、…

帰ってきたココカン

今朝はいつもの朝と空気が違うと、起きてしばらくしてから感じた。 新聞をひろげていても,コーヒーを口にしているときにも周囲のなにかが微妙に変わっていると気になりだした。開けっぴろげな造りの家だから、外と内との境などあってないようなもので、だか…

「ワルン・ジャンガル・ウラム」で

きのうはプリアタン・タガスにある Warung Janggar Ulamで、日本からもどってきた友人、それにまもなく日本に帰る友人とともに食事をした。 ファミリーと思われる子どもを交えた先客たちは、たぶん誰かの誕生日でも祝っているのか、それとも週末の一家団欒を…

テレビ生出演

きのう夕方放映された番組「NHKほっと@アジア」の hello@アジアのコーナーに出演した。 出演したといってもわずか3分ほどの中継で、奇しくもカップヌードルのできあがりを待つのと同じ3分だ。腹をすかしているときの3分は、じれったくなるくらい長く感じ…

4月10日 ARMA 美術館でおこなわれるチャリティ・イベント(詳細)

2011年4月10日 15:00〜19:00 会場:アルマ美術館オープンステージ(ウブッド・プンゴセカン) 入場無料 ・日本の手料理やウブドを中心としたレストランが提供するチャリティビュッフェ。 お皿のサイズで値段が2万ルピア、5万ルピアとなります。お料理は食…

古い殻は脱ぎすてて

庭の掃除をしていると、ほとんど毎日のようにセミの抜け殻をみつける。 たいがいは棕櫚の葉にくっついているのだけれど、背中をまるめ食いしばるように脚をくいこませているところをみると、脱皮の最中に葉のうえからポロリと落ちないようにと、セミも必死だ…

『苦役列車』を読んで思い出したこと

先月発表されたふたりの芥川賞受賞者の対照的な違いが話題になっていたらしい。 かたや由緒ある家柄の出身者であり、もう一方は強姦強盗の罪で服役した父親をもつ作家である。本人自身も逮捕歴2回の強者(つわもの)だ。 記者会見のときに見せた態度や応答…

ふたつの贈りもの

きのうは日本からみえた恵泉女学園大学のT先生から柿をひとついただいた。 ことしも学生たちのフィールド・スタディのプログラムのなかに「バナナペーパーづくり」を組み入れるので、その打ち合わせにみえたのだ。 柿は、きょう、在住の友人ふたりを招き3人…

うっかり

初なりは...

去年11月8日のブログ「パッションフルーツ」に、庭に植えたパッションフルーツがようやく花をつけはじめた話を書いた。 その2週間後には青々とした実が鈴なりになっている写真ものせている。 初なりは、3月に死んでしまったチェリーの遺影に供えようと、…

親切なおまわりさん

バリにもどってきて最初にしなければならない手続きが地元警察への「来訪届け」だ。規則では、「到着後24時間以内に」となっているらしい。 この届け出を怠ると500万ルピアの罰金を科せられる。いまのレートでは5万円ぐらいになる。 以前、州警察への届け出…

東京タワー

この冬いちばんの寒さに凍えた7日の朝成田を立ち、夕刻5時40分にはングラ・ライ空港に到着した。飛行機から降りるなりサウナに放り込まれたような熱気につつまれ、ヒートテックの肌着に汗がしみていくのがわかる。 空港構内にむかうバスに乗ってから、窓の…

初日の出

あけましておめでとうございます。 2011年1月1日 午前6時45分 千葉県九十九里蓮沼海岸。

帰ってゆく風景 ── 母、そして子 『100年前の女の子』を読む 最終回

「100年前の女の子」だった寺崎テイさんには、母と呼ぶひとはいなかった。 テイさんが記憶している、あの懐かしい高松村の風景のなかに母の姿はいちども見なかったのである。 1909(明治42)年8月10日、朝から雷がとどろき豪雨が見舞い、やがて猛暑となった…

帰ってゆく風景 ── 陽気なひとびと 『100年前の女の子』を読む 4

この本を手にする前に、たまたま『逝きし世の面影』(渡辺京二)を読んでいた。それで、しばらくの間ふたつの本を並べて交互に読むことになった。 『逝きし世の面影』は幕末から明治にかけて日本にやってきた外国人たちの見聞記を著者が丹念にひろいあつめ、…

帰ってゆく風景 ── 包容力 『100年前の女の子』を読む 3

先日の日曜日、近所の美容室で散髪した。 目をつぶって髪を切ってもらっていると、表通りを行き交う車やバイクのヒステリックでせわしない音に混じって竹笛の単調な響きが耳に入ってきた。 目を開けると鏡のなかに通りを挟んだ向こう側の歩道を、白いシャツ…

帰ってゆく風景 ── わたなべせんせい 『100年前の女の子』を読む 2

こどもの頃に通った学校の先生たちの姿を思い出すことがときどきある。 かれらが教壇に立っていた頃の年齢を遥かに超えてしまったいまのぼくは、あの若き教師たちのときに見せてくれた情熱が懐かしい。 中学1年のときの英語の担当は坂井先生という小肥りで…

帰ってゆく風景 ── 物語のはじまり 『100年前の女の子』を読む 1

100年という人生はひとにどんな記憶を積み重ねていくのだろうか、あるいはいかなる記憶だけが100年の月日の流れのなかから浮かびあがってくるのだろう。 近親にも周囲にも100年という気の遠くなるような時間を生の歩みとして経てきたひともいないので、それ…

バリ塩の話

一時帰国するときにはかならず「バリ塩」を友人たちへのみやげに持って帰る。 このあいだは3kgをすこし超えていたので、あらかじめEMSで送っておき小分けしてからそれぞれ友人に手渡した。 総額500円にも満たない価格のものを、4,300円の送料をかけて送るの…

つぶやく 3──21日〜24日のツイッター投稿から

11月21日(日) 今朝のBali Post/ギアニャール警察は昨日ブラバトゥ、スカワティ地区のラブホテルの取り締まりをおこない、4組の不倫カップルを摘発した。うちひと組は公務員(42)と女子学生(20)だったが、摘発されたカップルの中には警察官の妻もいたという情…

果実のなる庭

‘97年から3年間住んでいたプリアタンの借家の庭にはマンゴーの樹があった。 あまり威勢はよくなかったが、毎年かならず実をつけ知らないうちに家主が収穫してしまう。気づいた頃には、実をつける前のもとの姿にもどっていた。 一度だけ、まだ熟す前のマンゴ…

つぶやく 2 ──19日 / 20日のツイッター投稿から

11月19日 今朝のBali Post/*密輸用に捕獲されていた87匹の緑ウミガメが保護され、昨日クタ海岸で放たれた。1匹4-5万円で取引。*国立サンラ病院はグレードアップのため見舞客が廊下に居座る状態や時間外訪問の禁止、ノラ猫の駆逐を行った。──グレードアップ…

つぶやく ── 17日 / 18日のツイッター投稿から

11月18日 昨日の敵に施しを受ける。ティモールレッセ政府は被災者むけに$100万をインドネシア政府に寄贈。ほかに米、欧州、近隣諸国から$750万の援助がすでに受け渡されているが、使途についてはまだ不明のまま。 http://de.tk/jPfWp posted at 14:57:36 …

エレンディラ風? マルキッサ

マルキッサ(パッションフルーツ)を庭で育てているひとは、ぼくの知る限りでも何人かいる。ペジェンに住む若いアメリカ人Ch.もそのひとりだ。 かれが家を建てるときにすこし手伝ったが、1年ぶりに訪ねたときには庭木もすっかり根づき見違えるような緑にお…

プール日和の朝

陽が昇ってまもなく、いつもと同じように今日も暑い一日になるような気がした。 ひさしぶりに隣りにあるレストランのプールで泳いでみようかと思ったのは、ちりちりと空気が灼けてきたからだけではない。 このごろ、なんだかからだの動きがぎごちないのだ。…

いくつもの風景

田おこしのすんだ翌日は、半日、音もたてずに雨が降っていた。 農夫の姿のない水田にはココカン(白鷺)だけが歩きまわっている。 つぎの日には田植えがはじまった。 二期作、ときには三期作も可能なバリの水田だから、田園地帯を車で走ると、犂起こしをして…